レモンケーキ

河北町に店を構える「デ．ジョワ」は、「素材よりも素材らしいお菓子を」がコンセプトの洋菓子店です。今回ご紹介するのは、根強いファンの多い人気商品「レモンケーキ」。先代が使用していた年代物のレモン型を受け継いで作っています。見た目はオーソドックスですが、味わいは昔ながらの甘いものとは対極の「すっぱいレモンケーキ」。ひと口かじると、レモンのさわやかな風味が広がり、口の中が「きゅ～ん」とします。

焼き上がった生地は、すぐにレモン果汁の中にどぼんと漬け込みます。生地が温かいほうが果汁を吸収しやすいそうですよ。「レモン果汁たっぷりなので、紅茶と合わせるとレモンティーを飲んでいるような感覚になります」と、代表の武田さんは言います。生地をとことんすっぱくしているからこそ、コーティングにはノーマルなホワイトチョコレートを使用。チョコレートの甘みがレモンの酸味を引き立ててくれます。

デ．ジョワのレモンケーキは、生地にもこだわっています。フランスの伝統的な焼き菓子「カトルカール」を参考に、レモン果汁をたっぷり吸収しても崩れない生地に仕上げています。「カトルカールは、小麦粉・牛乳・バター・砂糖を同じ比率で合わせます。そのまま食べるとすごく硬いんです。だからこそ、レモン果汁を含むことでほど良い食感になります」と、武田さん。ずっしりと重厚感のある生地は、もっちりとした不思議な食感です。