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昭和初期に創業した、大江町の名店。「美味しさの追求」を信条に、さまざまな名菓を開発している。看板商品「えくぼ美人」は、全国菓子大博覧会の最高賞を獲得した逸品。

御菓子処 蝶谷 大江町で初めて、生和菓子と洋菓子を提供した店

東北・北海道を代表する名菓を生み出した名店

蝶谷(ちょうや)は、県中央部の大江町にある和洋菓子店。甘さ控えめで、毎日食べても飽きない味わいを追求しているお店だ。小さい子どもでも、安心して食べさせられるよう、食の安全にも心を配り、添加物を極力使わないことにもこだわっている。看板商品の「えくぼ美人」は、白あんに、山形特産のラ・フランスを練り込んだ名菓。第27回 全国菓子大博覧会(三重県)和菓子部門において、東北・北海道でわずか3点だけ選ばれた、最高評価の「名誉総裁賞」を受賞した逸品である。見た目は、まさにラ・フランスといった形をしており、「えくぼ」と頭にちょこんと乗った「ヘタ」が可愛らしい。「もったいない」という気持ちを抑えて口に運ぶと、餡のなめらかな食感が心地よく、ラ・フランスの香りが口の中にふわりと広がる。甘味が上品で、「また一口」と口に運びたくなる美味しさだ。

若き和菓子職人の挑戦。信条は「美味しさの追求」

蝶谷が創業したのは、1932年(昭和7年)のこと。当時、23歳だった初代・伊藤直志氏が和菓子店を開店したのが始まりだ。その頃、お菓子といえば駄菓子や煎餅が主流で、きんつばなどの「高級な和生菓子」を販売するのは、かなり挑戦的な取り組みだったという。「売れるわけない」という周囲からの声もある中、「美味しければ、かならず受け入れてもらえる」という信念を貫き、さまざまな菓子を開発していった。主な商品は、地元の食材や特産品をイメージしたもの。中でも好評だったのが、最上川で水揚げされる鮎(あゆ)を模した「あゆもなか」だった。1965年には、白あんに、卵黄と餅粉を練り込んだ「焼き鮎」としてリニューアル。現在まで愛される名菓として、多くの人から親しまれている。

  • 御菓子処 蝶谷
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  • 御菓子処 蝶谷
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生産者紹介

3代目代表:伊藤篤市
3代目代表伊藤篤市

蝶谷を営む、伊藤家に生まれる。大学で経営学を修めた後、東京・所沢市の洋菓子店で修行。1978年に、実家へ戻る。当時の蝶谷は、生菓子を主軸とする和菓子店であったが、「田舎でも、美味しいケーキを食べられる町にしたい」という想いから、ケーキや洋菓子を店に並べるようにした。作るものは変わっても、初代から受け継いだ「美味しさを追求する」という信念は変わらず、すりおろしゼリー・生パイ・ロールケーキ・台湾カステラなど、さまざまな洋菓子を手掛けてきた。じつは、大江町のゆるキャラ「日本一くん」も、伊藤さんが考案している。「かなりの力作です」と笑って話してくれた。

店舗詳細

店舗名称 御菓子処 蝶谷
住所 山形県西村山郡大江町大字左沢2592-1