舟形町(ふながたまち)は山形県の北東部で、最上郡の南端に位置する人口約5000人の町です。町名の由来は、鮒の形をした石が出てきたことに由来する説や、舟が転覆した形をした小丘に由来する説など様々あります。東西に細長い地形で、南部は出羽山地、東部は奥羽山脈に属する山岳地帯で、町の大部分が山地となっています。町の中央を流れる清流・最上小国川は、流域の田畑を潤しながら最上川へと合流します。清流に育まれた肥沃な大地では多くの農作物が栽培されており、中でもマッシュルームとラズベリーは、町を代表する特産品として知られています。
舟形町ってどんなところ?
若鮎の里・舟形町
舟形町の中央を流れる最上小国川は、その美しさから川魚の宝庫として知られます。中でも舟形町で採れる鮎は「松原鮎」と呼ばれ、泥臭さがなく、形・香り・味の三拍子そろった絶品として人気を博しています。例年7月上旬から10月下旬頃までの鮎釣りのシーズンには多くの釣り人で賑わいを見せます。また、例年9月上旬には町最大のイベント「ふながた若鮎まつり」も開催されます。多彩な催しのほか、鮎の塩焼きや鮎ご飯はもちろん、郷土料理の芋煮や町の特産品の販売なども行われます。
縄文の女神
町内を潤す最上小国川の流域は、多くの遺跡が確認されています。中でも川の左岸の河岸段丘(かがんだんきゅう)上に位置する西ノ前遺跡は、考古学史における貴重な発見があった遺跡として知られます。1992年6月の発掘調査で、縄文時代中期(約4,500年前)の集落と判明。遺跡からは竪穴式住居跡や多数の土器・石器のほか、高さ45cmという日本最大サイズの八頭身美人土偶が発見されました。欠損がなく完全な形で復元された極めて珍しい立像土偶で、その均整のとれた美しい佇まいから「縄文の女神」と呼ばれています。学術的価値の高さから、2012年には国宝に指定されています。
舟形町のおすすめスポット
舟形若あゆ温泉
鮎で知られる清流・最上小国川を見おろす小高い丘にあり、「美肌の湯」として有名です。山形県内で最後に湧出した温泉としても知られます。町を一望できる大パノラマの露天風呂からは、霊峰月山や葉山などの山並みも見渡すことができます。施設の入口にある巨大な鮎のオブジェが出迎えてくれます。
舟形町立歴史民俗資料館
舟形町の古文書や民具・民俗資料などを保存・展示し、文化財保護思想の普及と発展を目的とした資料館。館内には舟形町で出土し、国宝にも指定されている土偶「縄文の女神」のレプリカも展示されています。江戸時代末期に長沢集落にあった古い農家を移設して造られており、昔の農家の作りや部屋の間取りをそのまま復元しています。
猿羽根山地蔵堂
「やまがた景観物語おすすめビューポイント53」にも選ばれるほど素晴らしい眺望で知られる猿羽根山(さばねやま)。山頂上にある猿羽根山地蔵堂には、約1000年前に安置された日本三大地蔵の一つに数えられる「猿羽根山地蔵尊」が祀られています。縁結びや子宝、延命にご利益があるとされ、古くから篤い信仰を集めています。
舟形町の名物・特産品・お土産
鮎
清流・最上小国川に生活排水が入らないことから川魚の宝庫として知られます。水質もよく、餌となる苔も豊富な環境で育った舟形の鮎は、泥臭さがなく、形・香り・味の三拍子そろった名品として、高い評価を受けています。
舟形マッシュルーム
舟形の美しい水と自然に恵まれた土地で育った良質なマッシュルーム。生で食べられる唯一のキノコとして知られ、サラダに盛り付けたり、ワサビ醤油でお刺身としても美味しくいただけます。添え物としてではなく料理の主役になれる、舟形町を代表するキノコです。
ラズベリー
化学農薬を一切使用せず、ミツバチによる自然受粉にて栽培された、人にも自然にも優しい舟形町産のラズベリー。まるで宝石のように美しく、豊かな香りとしっかりとした甘酸っぱさが特長です。
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