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江戸期より伝わる玩具入りの駄菓子「からからせんべい」を製造する菓子工房。「かわいい」「昔懐かしい」と手にした人の心を和ませ、山形の定番土産として親しまれている。

宇佐美煎餅店 「からからせんべい」と大きく書いた看板が目印

山形土産の定番「からからせんべい」

鶴岡市の宇佐美煎餅店は、1949(昭和24)年創業の菓子工房。「しょうがせんべい」や「黒糖せんべい」など、せんべい菓子を中心に製造している。中でも看板に掲げているのが、山形庄内地方の名物「からからせんべい」だ。三角形に折りたたんだ黒糖せんべいの中に、小物や民芸品の玩具を入れた駄菓子。地元民から長く親しまれている定番土産である。その一つ一つが職人の手作り。なんと、焼き上げたせんべいがやわらかいうちに、玩具を素早く包むという早技だ。その間、わずか2〜3秒。まさに熟練の技である。「普段作るのは1日5000個くらいですが、お盆やゴールデンウィークなど観光シーズンになると1万個以上ですね」と、3代目の宇佐美智穂さん。個性的な形で、かわいい玩具入りの同商品は、全国菓子大博覧会 にて「名誉総裁賞受賞」に輝いている。近年は、インバウンドの増加により、外国人観光客からも人気を集めているという。

「からからせんべい」誕生秘話

「からからせんべい」の誕生は、江戸時代にまで遡る。当時、鶴岡市を治めていた庄内藩・酒井家の殿様は、大の甘いもの好き。そのため、庄内地方では数多くの駄菓子が作られていた。その一つが、「からからせんべい」。その頃は、貝殻などをせんべいに入れていたという。振ると「からから」と音を立てたことから、その名が付いたそうだ。現在は、「歴史のある伝統菓子を守っていこう」という思いのもと、宇佐美煎餅店をはじめ数軒の菓子店が受け継いでいる。

さくらんぼとだだちゃ豆を堪能!「山形まるごとサンド」

「からからせんべい」と同じく人気を博しているのが、「山形まるごとサンド」。クッキー生地のワッフルで濃厚クリームを挟んだものだ。クリームは「さくらんぼ」と「だだちゃ豆」の2種類。クリームの味は「さくらんぼ」と「だだちゃ豆」。山形といえば、南北に走る出羽山地を境に、東側が内陸地方、西側が庄内地方に分けられる。3代目の宇佐美さんは、「内陸はさくらんぼ、庄内はだだちゃ豆が特産です。山形の食文化をまるごと楽しめるギフトセットにしました」と、語る。「クリームがふわふわ」「ワッフル生地のザクザク食感が美味しい」と、幅広い世代から好評を得ている一品だ。

  • 宇佐美煎餅店
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生産者紹介

3代目:宇佐美智穂
3代目宇佐美智穂

鶴岡市出身。もともと東京で、菓子製造とは別の仕事をしていたが、2017年に家業を手伝うため、地元へUターンした。「最初は手伝い感覚で戻ってきたんです。でも、からからせんべいを手にしたお客様の『かわいい』『美味しい』といった声を聞いているうちに、気持ちが変わってきました。人を笑顔にするお菓子として、もっと全国の人に知ってもらいたいです」と、目を輝かせる。「山形まるごとサンド」は宇佐美さんのアイデアによるもの。「山形を代表するさくらんぼとだだちゃ豆を堪能できるお菓子」として、観光客から絶賛されている。

店舗詳細

店舗名称 宇佐美煎餅店
住所 山形県鶴岡市錦町10-10