くるみゆべし

西置賜郡白鷹町にある和洋菓子店「えびな菓子舗」から、看板商品の「くるみゆべし」をご紹介します。味の決め手は、味噌蔵で仕込む自家製味噌。やさしい甘みの餅に、味噌の塩気や旨味が絶妙に合います。たっぷり入ったくるみの香ばしい風味とカリカリ食感がアクセント。担当の海老名さんは「時代に合わせて改良していますが、初代の頃から人気の商品です。お客さんの7割くらいが購入されますね」と話します。手土産にも喜ばれる一品です。

くるみゆべしは、「混ぜる」「型に入れる」「蒸す」というシンプルな工程で作られます。特に品質に影響を与えるのが、材料を混ぜる工程。海老名さんは「作っておいたシロップに餅粉を入れて水分を吸わせていくのですが、混ぜが足りないと味にムラが出るんです」と教えてくれました。反対に混ぜすぎると硬くなって、型に入れた時にうまく伸ばせなくなってしまうのだとか。職人の勘と経験で、絶妙な食感を生み出しています。

白鷹町東部は、昔から菓子店が多い地域。それぞれのお店が、趣向を凝らした独自性の高い商品を作っています。1950年に創業した「えびな菓子舗」もその一つ。「くるみゆべし」のような昔ながらの和菓子をはじめ、「紅花」や「鮎」など地域の特産品を取り入れたユニークな商品も展開。また、焼き菓子やケーキなどの洋菓子も取り揃えています。できる限りシンプルな材料で作ることを心がけており、素朴ながらも味わい深いお菓子は、幅広い世代から愛されています。