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奥羽山脈や蔵王連峰に囲まれた山形盆地に位置する果樹農家。樹本来の生命力を活かして栽培する梨やりんごは、「甘みが強い」「みずみずしい」と人気を集めている。

まるたか果樹園 日々、園地に足を運んで果実を観察

一年を通して果物を作り続ける農家

山形県といえば、多彩な果物を堪能できるフルーツ王国。その秘密は盆地特有の気候にある。奥羽山地や蔵王連峰、出羽三山といった山々に囲まれているため、日中は暑く、夜間は涼しい。だからこそ、昼夜の寒暖差で果実が甘みを蓄えるのだ。中でも、自然が豊かで四季が明瞭な東根市は、県内有数の果樹産地の一つとして知られる。2015年から続く同市のまるたか果樹園は、洋梨のラ・フランスやマルゲリット・マリーラ、りんご、さくらんぼなどを手がける農家。どの果物も、甘みはもちろん、みずみずしさに定評がある。直売所やスーパーでは、あまりの人気から、「すぐに売れるから、もっと棚に並べてほしい」という店員の声も多いという。同園が目指すのは、「常に果物を作り続ける農家」。代表の渡辺貴幸さんは、「農園を始めた当初は、梨やりんごが主力だったのですが、2022年からは桃の栽培にも挑戦しています。『美味しい』と食べてくださるリピーターのためにも、一年中果物を作っていたいですね」と、笑顔を見せる。

樹本来の生命力を活かした栽培

まるたか果樹園は、食の安全に配慮し、米ぬかをベースにした有機質肥料を使用している。果実の旨味に欠かせないアミノ酸が豊富に含まれているそうだ。しかし、代表の渡辺さんは、「有機質肥料を使ってはいますが、人間が手を入れすぎては本末転倒だと思います。大事なのは自然と上手く付き合うことです」と、力を込める。そのため、園地に生える雑草は、極力そのままにしているという。秋に実る洋梨やりんごは、夏の猛暑をいかに乗り越えるかが問題。樹が熱を持ってしまうと、健康な果実に育たないからだ。その点、まるたか果樹園の場合、生い茂った雑草が熱を吸収してくれるため、樹自体に熱がこもらないそうだ。そして、渡辺さんは、「果実の旨味を引き出すためには、何よりも剪定のタイミングと量が一番大事。たとえば、成長期はなるべく控えた方が良いです。目指すのは旺盛な樹ですね」と、語る。タイミングとバランスを見極めて剪定することが、樹勢を強くする最善の道。渡辺さん曰く、樹が本来の生命力を発揮できるようにサポートしてあげるのが、農家の仕事だそうだ。

  • まるたか果樹園
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生産者紹介

代表:渡辺貴幸
代表渡辺貴幸

農業には縁がない家に生まれるが、果樹農家でのアルバイトをきっかけに農業に興味を持つ。20代半ばで就農し、洋梨栽培を始めた。「実家が農家というわけでもなかったので、知識がまったくありませんでした。やっていける自信はなかったですね。でも根気良く続けているうちに、だんだんお客さんが増えてきましたし、自分なりのスタイルも見つけました」と、振り返る。試行錯誤の末、行き着いたのが、樹本来の生命力を活かした栽培。そのため、農薬の使用もできる限り抑えている。「小さな子どもにも安心して食べてもらえるような果物を作っていきたいです」と、優しい笑顔で語った。

店舗詳細

店舗名称 まるたか果樹園
住所 山形県東根市若木字若木9091-419