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さくらんぼや柿、ぶどうを栽培する農家。10品種以上育てているぶどうは、どれもみずみずしくてジューシー。中でもピッテロビアンコは、希少価値の高さからもファンが多い。

松田農園 色鮮やかに実る「ピッテロビアンコ」

さくらんぼにぶどう。芳醇な果物を生産する農家

松田農園は、上山市にて300年以上続く農家。もともとは米農家だったが、8代目からは果物栽培を専門に取り組み始めたという。山形といえば、やはり全国に誇る「さくらんぼ」。同農園でも、さくらんぼを丹精込めて育てている。甘みと酸味のバランスが絶妙な「佐藤錦」、糖度がとても高い「紅秀峰」。シーズンになると直売所はもちろん、県外からの電話注文も絶えないという。また、ぶどうの栽培にも注力。安芸クイーン・シャインマスカット・ピオーネ・ゴルビーなど、10品種以上にわたる。どれも大粒でハリがあり、あふれる果汁が絶品だ。

さわやかな甘みが美味しい「ピッテロビアンコ」

松田農園が栽培するぶどうは、王道ばかりではない。めずらしい品種を取り揃えていることも人気の秘密だ。たとえば、細長い形の粒が特徴のピッテロビアンコ。女性の指のようにも見えることから別名「レディーフィンガー(淑女の指)」とも呼ばれている。酸味が少なく、甘みがさわやか。種なしで皮ごと食べられるため、子どもからお年寄りまで幅広い年代から人気を集めている。9代目の松田信朋さんは、「デリケートな形状をしているため、栽培から梱包まで手入れが大変なんですよね」と、教えてくれた。繊細で輸送が難しいため、なかなか市場に出回らない希少価値の高い品種だそうだ。

上山市に伝わる、干し柿専用の「紅柿」

上山市は渋柿「紅柿(べにがき)」発祥の地。その歴史は江戸時代にまで遡る。同市関根地区で育った柿を食べた殿様が、あまりの美味しさに感動したことが始まりといわれている。渋柿の中でも特に渋が強いことから、干し柿にして親しまれてきた。松田農園でも、代々、干し柿専用に紅柿を栽培。一般的に柿は渋が多いほど、干した時に甘みが強くなる。干した紅柿の表面に吹いた白い粉は、なんと砂糖の約1.5倍の甘さだとか。昔は一本の縄にくくりつけた「吊るし」という形で売られていたそうで、「人を束ねる」「金をかき集める」と、縁起物として好まれてきた。9代目の松田さんは、「最近は束ねて販売する姿は見られなくなってきましたが、松田農園では昔ながらの『吊るし』でお届けしています」と、語る。縁起の良い贈り物として買い求める客が多いそうだ。

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生産者紹介

9代目:松田信朋
9代目松田信朋

上山市出身。23歳の頃に、松田農園の9代目として就農した。「就農したばかりの頃は両親のアドバイスが多くて大変でしたが、最近はようやく私のやりたい栽培ができるようになりました」と、笑う。農業のやりがいについて尋ねると、「直売所での対面販売ですね」と、松田さん。農園で育てているぶどうは、めずらしい品種もあるため、足を止めてくれる地元客が多いとか。「果物を通してお客さんと繋がれるのが楽しいです」と、清々しい笑顔を見せた。

店舗詳細

店舗名称 松田農園
住所 山形県上山市川口53-1