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山形市にある老舗の醸造所。看板商品の「味マルジュウ」をはじめ、高品質な醤油や味噌を手がける。このほか、時代のニーズに合わせた新たな施策にも積極的に取り組む。

丸十大屋 創業から170年以上、山形で愛される老舗の醸造所

山形が誇るダシ入り醤油「味マルジュウ」

「丸十大屋」は、山形市の中心部の一角に位置する老舗の醸造所。元は、1844年創業の紅花商。当時、阿波の藍と共に、上方で高い評価を受けていた山形の紅を、京都や大阪へ届ける回船問屋だった。醸造業を始めたのは明治中期頃から。以来、本醸造醤油や混合醤油、味噌など、味わい深い商品を世に送り出してきた。看板商品は、1964年に販売を開始した「味マルジュウ」。国産の鰹・宗田鰹・さば・煮干から取る一番ダシを、自家製の混合醤油とブレンドしたダシ入り醤油だ。競合他社との差別化を目指して作られたのが始まりで、厳選素材のダシが効いた、甘みのある深い味わいは、他にはない美味しさ。県内では、特に村山地域を中心に篤い支持を集めており、今では、「味マルジュウの会社」と言われるほど、広く認知されている。代表取締役の佐藤さんによれば、「販売当初はほとんど人気がなかった」そう。販売開始から、ここまで愛されてきた理由について、「『使い勝手の良さ』が大きな要因」と、佐藤さんは語る。普段使いの醤油としてだけでなく、郷土食である芋煮や煮物の味付け、めんつゆなど、幅広い調理に活用できるのが魅力だ。「一家に一本」の万能調味料として、その地位を確固たるものにしたのだ。

時代の潮流を読んだ新たな施策を打つ

佐藤さんは、「『味マルジュウ』だけと思われがちですが、醤油自体も非常に良いものを作っています」と語る。丸十大屋の本醸造醤油「伝来」は、上品な香りとまろやかな風味が自慢。醤油業界の品評会で、最高賞である「農林水産大臣賞」を、全国最多の過去6度獲得しており、その品質は、業界内でも高く評価されている。また、丸十大屋では、新商品の開発にも積極的に取り組む。例えば、2014年、醤油製品では国内メーカー初となる「ハラール認証」対応の醤油やめんつゆを開発。このほか、美味しさそのままに食塩を50%カットした減塩醤油や、鮮度にこだわり、少量から使える密閉ボトル入りの醤油なども展開。また、本社社屋の一階に、『蔵膳屋』と呼ばれる実店舗をオープン。イートインスペースが併設されており、醤油や味噌を使用したスイーツや、オリジナルカレーがその場で味わえる。「伝統の味を残しながら、時代のニーズに併せた商品開発や業態展開が、何よりも重要」と佐藤さん。170年を超える歴史の中で培われた伝統を守り、時代の先を見据えながら、常に新たな試みに挑戦し続けている。

  • 丸十大屋
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生産者紹介

代表取締役:佐藤利右衛門
代表取締役佐藤利右衛門

山形市出身。高校卒業後、東京都内の大学に進学。卒業後、大手百貨店に入社。主に日本酒のバイヤーとして、全国各地の酒造を回り、知られていない美味な地酒の発掘・買い付けを担当。流通の最前線で、約6年間勤した後、Uターン。家業である丸十大屋に入社。社内に残る旧態依然とした体制に疑問を持ち、刷新を決意。自社の設備や醸造工程の改善、製品設計の見直しをはじめ、業務改革に尽力した。2008年に代表取締役に就任。2018年、8代目として「利右衛門」を襲名し、現在に至る。大切にしているのは、「時代の潮流を読み、それに合った会社、商品であること」。看板商品の「味マルジュウ」や本醸造醤油だけでなく、醤油や味噌を使ったスイーツや、ハラール認証商品の開発など、常に新しい商品開発に取り組んでいる。「『味マルジュウ』をはじめとした自社商品を、山形県内や東北地方だけなく、全国のお客様に味わってもらいたい」と熱く語ってくれた。

店舗詳細

店舗名称 丸十大屋
住所 山形県山形市十日町三丁目10番1号