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鶴岡市の山間部にある農業体験宿泊施設。風味豊かな品種「でわ宝」を使用したそばが名物。挽きたて・打ちたて・茹でたてのそばを求めて、県内外から観光客が訪れる。

ふるさとむら宝谷 令和3年度「ふるさとづくり大賞」を受賞した施設

宝谷生まれの品種を使用。風味豊かなそばが人気

鶴岡市宝谷(ほうや)地区の「ふるさとむら宝谷」は、自然豊かな山間部にある農業体験宿泊施設。田植えや稲刈り、そば打ちなどの体験ができる。施設内のキャンプ場からは、同市の名物「赤川花火大会」の花火を鑑賞できることもあり、毎年多くの観光客で賑わうそうだ。併設されている食事処「宝谷そば」の存在も人気の秘密。「挽きたて・打ちたて・茹でたて」の三たてを徹底したそばを提供している。最大の特徴は、2017年に宝谷地区で誕生したそばの実「でわ宝」を使用していること。「でわかおり」と「常陸秋そば」を掛け合わせた品種で、そばにすると豊かな風味と強いコシが生まれる。栽培しているのは、標高260mの高台にある広さ30ha以上もある畑。東京ドームに換算すると、なんと約6個分に相当する。山形県といえば、そばの生産量が全国トップクラスのそば王国だ。組合長の本間与一さんは、「もともと宝谷地区ではそばの生産をしていなかったのですが、1996年から栽培をはじめたんです。山間部ゆえの寒暖差がそば栽培に適しているんですよね。山形を代表するそばの生産地にしたいです」と、語っている。

そば粉を使った個性豊かなおやつ

ふるさとむら宝谷は、地元で誕生したそばの品種「でわ宝」を全国に広めるべく、ブランド化に取り組んでいる。2022年は施設内の食事処で人気の「宝谷そば」を乾麺にして商品化。試作を重ねた結果、「でわ宝」のそば粉を贅沢に6割も使用した田舎そばに仕上げることができた。「お店に食べに来てくれたお客さんが『家でも食べたい』って言ってくださることが多かったんです。商品化できて嬉しいですね」と、組合長の本間さん。また、丁寧に石臼で挽いた「でわ宝」のそば粉を使ったお菓子作りにも力を注いでいる。そばの実をポン菓子にして水飴をからめた「そばの実おこし」は、優しい甘みと香ばしい風味が魅力。おやつにも酒のアテにも好評なのが、「塩そばかりんとう」だ。そばの香りが引き立つように、ほんのり塩味で仕上げている。そして、「そば粉クッキー」は、ふるさとむら宝谷のオリジナルキャラクター「そばこちゃん」の顔が模られている。隠し味のアーモンドときび砂糖の風味が効いた、素朴な味わいが美味しい。これらは市内の小売店や産地直売所で販売。子どものおやつや手土産として人気を集めている。

  • ふるさとむら宝谷
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生産者紹介

組合長:本間与一
組合長本間与一

鶴岡市出身。高校卒業後、地元の半導体工場に40年間務めた。定年退職後、父親が組合員として在籍していた「ふるさとむら宝谷」の組合長に就任。宝谷地区で誕生したそばの実「でわ宝」のブランド化を目指して、地域活性化に取り組んでいる。そば粉のおやつは、本間さんをはじめ、地元民や地域おこし協力隊とともに考案したものだ。本間さんは、「そばを核にして地域住民一丸となって町おこしをしています。わずか20世帯ほどの小集落に年間5000人もの方が足を運んでくれるようになりました。山形が誇る新たなそばの産地になるよう頑張っていきたいです」と、意気込んだ。

店舗詳細

店舗名称 ふるさとむら宝谷
住所 山形県鶴岡市宝谷字舞台170