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創業から130年以上、高畠町で親しまれる老舗の菓子店。県外にもファンがいるというメレンゲ菓子「たかはたまかろん」は、知る人ぞ知る隠れた人気商品だ。

大丸屋菓子舗 昔懐かしい和洋菓子を作り続ける菓子店

どこかホッとする雰囲気の「町のお菓子屋さん」

高畠町の閑静な住宅街に佇む大丸屋菓子舗は、創業から130年以上を数える老舗菓子店。創業当初は和菓子の専門店だったが、現代表で、4代目の加藤武広さんの代から、洋菓子作りを本格化。現在は、洋菓子をメインに製造している。加藤さんがこだわるのは、「毎日同じように、店の味を作ること」。「寒暖差の激しい高畠町では、温度や湿度が上がりやすい。そうなると同じ材料を使っても、思っていたものができない。そこを日々調整しながら作ることが、お菓子作りの難しさであり、面白さでもあります」と加藤さんは語る。店内の中央にあるショーケースには、40年以上愛される看板商品「マロンオムレット」をはじめ、常時10種類以上のケーキが並ぶ。加藤さんは、「小さなお子さんでも、自分のおこづかいで買いに来れるような、『町のお菓子屋さん』でありたい」と語る。手に取りやすい価格と、ボリューム満点な洋菓子の数々は、どれも思わず笑顔になる美味しさだ。「年配の方で、『あの美味しかったやつが欲しい』と、商品名が分からないままに買いに来る人もいます。『どれ?』って言いながら、一緒に探す時間も楽しい」と、笑顔で語る加藤さん。そんなアットホームな雰囲気も、長年愛されてきた理由の一つだろう。

高畠町の隠れた名物「たかはたまかろん」

大丸屋菓子舗が手がける商品の中で、県外からも密かに人気を集める焼き菓子がある。それが、「たかはたまかろん」だ。メレンゲにココナッツフレークを加えた生地を、職人が手作業で丁寧に絞り、低温でじっくりと焼き上げる。とんがり帽子に、大きく口を開けたようなフォルムがなんとも愛らしい。食感は「サクッ」と軽やか。カラメルのような風味とココナッツの香りが鼻から抜け、甘みを強く感じるものの、口溶けが良く喉に残らない。「たかはたまかろん」は、加藤さんがかつて修行し、現在は閉店してしまった老舗菓子店の商品からヒントを得たという。「材料や配合は変えていますが、懐かしさを感じる方もいるかもしれません」と加藤さんは語る。当初は、不定期で作っていたが、2007年頃からレギュラー化。地元のワイナリーや道の駅での取り扱いも増えたことで、次第に評判となり、県内外から問い合わせがある看板商品になった。発売から10年以上、「ココナッツマカロン」の名で販売していたが、パッケージのリニューアルを機に、「たかはたまかろん」と命名。この名前には、「愛する地元・高畠町を代表するお菓子になって欲しい」という、加藤さんの想いが込められている。

  • 大丸屋菓子舗
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生産者紹介

4代目:加藤武広
4代目加藤武広

高畠町出身。大丸屋菓子舗の4代目として生まれる。幼少期から、漠然と「自分が家を継ぐのだろう」と考えていた加藤さん。そのため、米沢市の商業高校に入学。卒業後、山形市にある老舗菓子店に入社し、洋菓子を中心に菓子製造を基礎から学んだ。3年ほど勤めたのち、実家である大丸屋菓子舗に戻り、2005年に代表に就任。現在に至る。目標を尋ねると、「店を大きくするというよりは、お客様が安心して買ってもらえる店であることが目標」と加藤さん。「『細く、長く』で良いので、食べた方に『美味しい』と喜んでいただけるお菓子作りを、これからも追求していきたいですね」と笑顔で語ってくれた。

店舗詳細

店舗名称 大丸屋菓子舗
住所 山形県東置賜郡高畠町大字高畠1474-1