山形県産 庄内柿

山形の特産品として知られる「庄内柿」。代表的な品種は、「平核無（ひらたねなし）」という平たい四角形の渋柿で、種がなく食べやすいことが特徴です。収穫後に丁寧に渋抜きすることで、まろやかな甘みに仕上がります。今回は、100年以上前から果樹栽培に取り組む「戸田農園」の庄内柿をご紹介。さくらんぼ・桃・りんごなどの果樹畑の脇に木を植えることで、土壌の栄養をたっぷりと吸収した大ぶりな柿が実ります。

代表・戸田さんに栽培のポイントを聞いてみると、「果物の美味しさの80％は剪定で決まる」とのこと。樹の健康状態や成長の勢いを見ながら、枝全体のバランスが良くなるように整えているそうです。こうすることで、樹全体に栄養が行き届き、大ぶりで濃厚な甘みの柿に育ちます。「樹勢が強いと、枝がたくさん伸びてくるので、そこを切っていきます。ただ、枝を切れば切るほど、樹って強くなるんですよ。だから、あえて肥料を少なめにして成長の勢いを抑えることもありますね」と、教えてくれました。

収穫直後の庄内柿は渋味があり、苦くて食べられません。丁寧に渋抜きして熟成することで、渋味が甘みに変化します。戸田農園では、脱渋剤とともに収穫した柿を一つずつ袋詰め。7～10日かけて渋抜きしていきます。その後、風通しの良い日陰で自然乾燥。ゆっくりと追熟させることで、まろやかで深みのある甘みを引き出しています。