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鮮度抜群の「船凍スルメイカ」を使ったお刺身や、加工品を手掛ける会社。地元漁師と互いに支え合いながら、とにかく新鮮で美味しいイカを提供している。

山形飛鳥 イカ釣り漁船「若潮丸」の「船凍イカ」の美味しさを全国へ発信

板前基準の高品質なイカの刺身を手掛ける

山形飛鳥(あすか)は、酒田港のすぐ目の前に本社工場を構える「イカの刺身」専門メーカーだ。鮮度抜群のスルメイカを使って、イカの刺身やイカソーメン、塩辛などを作っている。どの商品も品質が高く、全国のスーパーマーケット・飲食店・生協などで取り扱われてきた。さらに近年は、百貨店からの引き合いも多く、ますます人気が高まっている。美味しさの理由は、プロ目線の品質基準だ。じつは同社、日本料理店向けの鰹節や削り節の出汁パックの生産をルーツに持つ。板前の厳しい目と舌に試され、商品を磨いてきた。これは、親会社の飛鳥フーズ(新潟県三条市)の歴史ではあるが、「和食職人の技・味・心」という理念をしっかり継承しているのだ。

鮮度抜群でとても希少な「船凍イカ」

スルメイカといえば、日本でもっとも漁獲されるイカであり、イカといえば、おおむねスルメイカのことである。山形県では、6月上旬に漁解禁。全国的にもめずらしい「出航式」を経て、漁船団は海へと旅立っていく。港に戻ってくるのは、1ヶ月以上先。「若潮丸」も、そのうちの一隻だ。イカ釣り漁は、網ですくい上げるのではなく、ワイヤーと針で一杯一杯釣り上げるのが特徴。こうすることで、イカ同士が擦れあわず、ストレスのない状態で水揚げできる。さらに若潮丸では、釣り上げた直後、船内に設置した超低温(-60℃)の急速冷凍庫で、瞬間凍結させる。内部まで一気に凍らせ、釣りたての鮮度をそのままキープするのだ。この「船凍イカ」は、全国でも4箇所、北海道の函館港、青森県の八戸港、山形県の酒田港、石川県の小木港でしか水揚げできない。というのも、急速冷凍庫は、200tクラスの大型漁船でないと装備できず、そのサイズの船を停泊できるほど長い埠頭が、前述の4港にしかないからだ。もちろん、港にも冷凍イカを保管するための巨大な冷凍庫が必要となる。こうした経緯から、船凍イカはとても希少なのだ。

一番新鮮なイカを漁師から直接仕入れる

「うちのイカは、半透明なんです」と語るのは、山形飛鳥 専務取締役の金子さん。鮮度のいいイカの見分け方について、詳しく教えてくれた。「イカは、海中では半透明、空気に触れると黒くなり、そこから白くなっていきます。出荷されるものは、ほとんどが黒か白。多くのバイヤーさんは、この色で鮮度を見分けているそうです。でも、半透明のイカを見る機会はほぼありません。冷凍技術が発達する前は、漁師しか見る機会がなくて、いまでも希少です。まだまた知られていないんです。いまでも、『白に変わりつつある、鮮度が悪いイカだ』と思われてしまう。だから漁師さんは、空気に触れさせて、黒くしてから凍らせています。あえて鮮度を落とすなんて、もったいないですよね」と、金子さんは少し肩を落とす。続けて、「でも、だからこそ、うちは直仕入れにこだわっています。山形飛鳥のものは、すぐに凍結してほしいとお願いしています。他社ではなかなかない取り組みですよ」と、同社の取り組みを熱く語る。その語り口調からも、イカに対する真摯な想いが伝わってくるようだった。

漁師と加工会社が力を合わせ、不漁の困難に挑む!

スルメイカ漁が盛んなのは、全国でも4港。北海道の函館港、青森県の八戸港、山形県の酒田港、石川県の小木港だ。しかしどこも、近年の不漁に苦しんでいるという。この中でも、酒田港は特に元気がなかった。というのも、他の地域に比べて、県からのサポートが薄かったからだ。「イカ漁には、大きな経済効果を生む力がある。この現状をどうにか打破したい」と立ち上がったのが、飛鳥フーズの代表と、漁撈長の本間さんだった。本間さんは、酒田市の離島「飛島(とびしま)」の出身。中学校を卒業してすぐに漁師になり、わずか25歳で漁撈長に抜擢された。当然、周囲との軋轢もあったというが、持ち前の負けん気で乗り切り、現在では押しも押されぬ漁師たちのリーダーになっている。「特に、本間さんの活躍は大きかったです。彼が漁師たちを一つに団結してくれて、現場が力強く動いてくれたからこそ、立て直しに大きな一歩を踏み出せました」と、金子さんは振り返る。

イカへの熱い想いで支え合う

こうした地域の盛り上がりは、漁解禁時の「出航式」からも感じられる。出航の朝、青空の下で大漁旗がブワッとはためき、船の旅立ちを盛大に祝うのだ。本間漁撈長は先頭に立ち、漁師全員で団結することを宣言する。そして、船に乗り込んだ漁師たちと、家族・親戚が色とりどりの紙テープの端同士を持ち、しばらくの別れを惜しみつつ、「行ってらっしゃい」「気をつけてね」「安全に帰ってきてね」と祈るのだ。かつては、どこの港でも見られたというが、現在では、ほぼ酒田港でしか行っていない。「これもひとえに、本間さんの存在が大きいと思います。郷土愛というか、漁師としての誇りというか。若い世代にも、それを継承していきたいという想いが伝わってきますよね。だから私たちも、全力で支えたいんです」と金子さんは語る。その想いから、山形飛鳥では、取引関係者を式に招待するのだという。参加者のほぼ全員が、全国の量販店担当者である。こうした熱い想いがあり、漁師と加工会社が支え合っているからこそ、山形飛鳥の商品は「美味しい」と好評なのだろう。

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生産者紹介

専務取締役:金子京子
専務取締役金子京子

新潟県三条市出身。前職はダシ商品メーカーに勤務。そこで、現・飛鳥フーズ代表取締役の五十嵐七朗氏と出会う。1995年、五十嵐氏をはじめ、同メーカーに勤めていた5人のメンバーとともに「株式会社飛鳥フーズ」を設立。創業からの全てを知る。現在は、イカ刺身専門メーカー「山形飛鳥」の専務取締役として、「船内凍結スルメイカ」の美味しさを積極的にPRしている。誠心誠意の対応を心がけており、全国の取引先からの信頼も厚い。「和食のプロである職人さんの『味・技・心』を、私たちが作る全ての商品から感じていただけるよう、魂を込めて作っています」と、金子さん。「実際に商品を食べた人たちから、『美味しい』『他とは違うね』と言っていただくと、本当に嬉しいし、なによりのモチベーションになります」と、笑顔で語ってくれた。

店舗詳細

店舗名称 山形飛鳥
住所 山形県酒田市船場町2-4-12