羽陽男山 大吟醸 壺天

山形市の男山酒造は、寛政元年に創業して以来、伝統的な製法を大切にして日本酒造りに取り組んできました。今回ご紹介するのは、そんな同社が手掛ける中では最高峰の日本酒「大吟醸 壺天（こてん）」。古びた壺の中で美酒や料理に溢れた桃源郷を体験したという、中国の故事に由来して名付けられました。すっきりとしながらも、ふくよかで奥行きのある味わいは、特別な日にぴったりです。贈り物や自分へのご褒美にもどうぞ。

男山酒造の日本酒には、ミネラル豊富な蔵王連峰の伏流水を使用しています。ミネラルに含まれる渋みや苦味などが加わることで、甘みが抑えられてすっきりとした後味になるそう。また、ミネラルは酒を発酵させる酵母の栄養にもなります。専務の尾原さんは、「ミネラルが多いと、もろみの段階で酵母が糖分を分解し尽くす『完全発酵』になりやすいんです。糖分があまり残らないので、キレのある辛口に仕上がります」と話します。

じつは、「男山」というお酒は全国各地にあります。京都の石清水八幡宮がある山の名前にあやかり、清酒発祥の地・兵庫県伊丹市で初めて造られました。そのお酒が江戸で人気を博したことで、「男山」は美味しいお酒の代名詞となり、各地の酒蔵で自慢のお酒にその名を付けるようになったそうです。「羽陽男山」という銘柄名にも、「山形にある良い酒」であることへの誇りが込められています。