酒蔵清泉川
山形県酒田市 店舗ジャンル:酒蔵・酒造酒田市にある明治8年創業の蔵元。「テロワール」の考えに基づいて地元産にこだわり、鳥海山のミネラル豊富な雪解け水と、庄内平野で育った米を使用した日本酒を製造する。

味噌・醤油造りから始まった蔵元
「酒蔵清泉川」は、酒田市にある蔵元。酒蔵として創業したのは明治8年だが、そのルーツは古代にまで遡る。酒蔵がある浜中地区は、「庄内砂丘」という南北に長い砂丘地。山形県と秋田県の境に位置する鳥海山の雪解け水が、砂丘の下を流れることで浄化され、清らかな伏流水となって、その地に湧き出したそう。その水の美味しさに感動した人々が移り住み、集落が生まれた。「庄内は海も山もあり食材には恵まれていたので、あと必要だったのは、味噌や醤油のような調味料でした。新潟方面から来た移住者の中に杜氏の技術を持つ人がいたので、すぐに造ることができたんです」と、杜氏の佐藤宅真さんは語る。その後、明治時代に入ると、全国的に日本酒の生産が盛んになったことから、酒蔵に転身した。伝統的な日本酒のみならず、食用米を使用した酒やワインも手掛けるなど、積極的な挑戦を続けている。
「テロワール」に基づく、地元にこだわった酒造り
酒蔵清泉川は、「地元のものを使うこと」を大切にする。「ワインの世界に、土壌・気候・地形など、その土地を取り巻く自然環境を意味する『テロワール』という言葉があります。そうした土地の『個性』がぶどうの品質、そしてワインの味わいに影響を与えます。日本酒もどこの水と米を使うかが大事だと思うんです」と、佐藤さんは強調する。酒造りに使う仕込み水は、県内最高峰・鳥海山の万年雪を源とする、ミネラル豊富な伏流水。そして、米は庄内平野でとれたもの。庄内地域は、コシヒカリをはじめとする良食味米の祖先「亀の尾」の発祥地でもあり、日本の米のふるさととも言われる。「日照時間の長さなどの自然環境はもちろん、鳥海山の清らかな水で潤った土地だからこそ、美味しいお米が育つんです。そんなお米を使わない理由はありません」と、佐藤さん。酒蔵清泉川が目指す酒は、「究極の食中酒」。特別な時だけでなく、食事のお供として毎日飲んでもらえるような酒だ。そのために、口飽きしないキレのある飲み口に仕上げているという。「酒の美味しさを左右するのは、水とお米、そして杜氏の腕です。教科書は無いので、日々試行錯誤しながら造っています」と、佐藤さんは語った。
生産者紹介

杜氏佐藤宅真
酒田市出身。東京農業大学醸造科で、酒造りを科学的なアプローチから学ぶ。卒業後は栃木県の酒蔵に入り、経験豊富な杜氏のもと、酒造りの技術を一から修得した。「さまざまなお米の特徴を学んだり、酒造りに対する姿勢を厳しく指導していただいたりしたことが、今でも役に立っています」と、佐藤さん。その後、家業の「酒蔵清泉川」に入り、杜氏を務めている。「仕事は体力勝負で大変ですが、お客様から直接『清泉川の酒は美味しい』と言っていただけることが、何ものにも代えがたい喜びです」と、そのやりがいを語った。
店舗詳細
店舗名称 | 酒蔵清泉川 |
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住所 | 山形県酒田市浜中乙123番地 |