治右衛門果樹園
山形県東置賜郡高畠町 店舗ジャンル:果樹園「まほろばの里」として知られる、自然豊かな高畠町の農家。奥羽山脈の伏流水を用いて、デラウェアやシャインマスカットなど、多様な品種のぶどうを栽培している。

果樹栽培に適した環境の高畠町
県の南部に位置する高畠町は、中山間地域ならではの昼夜の寒暖差や豊富な水資源に恵まれた、果樹栽培に適した地域として知られている。「治右衛門果樹園(じうえもんかじゅえん)」は、この地で代々続く農家。現在は、12代目・安達敏幸さんがその歴史を受け継いでいる。「うちは、もともと米と養蚕を生業にしていました。明治から昭和初期までは、蚕に食べさせる桑畑がたくさんあったんですよ」と、安達さん。昭和30年代になると、水はけの良い桑畑をぶどう畑へと転換。ぶどうのほか、りんご・桃・さくらんぼなどの多彩な果樹栽培に挑戦してきた。「この辺に、雨が降ったときだけ現れる『有無川(ありなしがわ)』という川があるんです。雨が降らないと水が土に吸収されてしまうんですよ。そのくらい水はけが良いということです」と、安達さんは笑う。そんな高畠町は、水はけの良い土壌を好むぶどうの栽培にぴったりな環境なんだそう。現在は、デラウェア・シャインマスカット・マイハート・オリエンタルスターなど、さまざまな品種を栽培している。
昔ながらの剪定方法で、甘いぶどうに仕上げる
治右衛門果樹園が特に力を入れているのが、ぶどう栽培。「長梢(ちょうしょう)剪定」という、昔ながらの剪定方法で樹を仕立てるのがこだわりだ。こちらは、枝を短く切る「短梢(たんしょう)剪定」に対して、枝を長めに残す方法。樹の状態を見極めながら、良い枝を残して不要な枝を切ることで、日当たりや風通しを確保しつつ、実をしっかり育てられるように整えるそうだ。「枝の配置や長さを自分なりに工夫できるのが面白いですね。手間や技術が必要ですが、その分品質の良いぶどうが育ちます」と、安達さんは語る。また、収穫する際は、しっかりと糖度を計測。数値だけを頼りにするのではなく、実際に食べてみて美味しいものを収穫していく。「同じ糖度でも、酸味が抜けていないと酸っぱく感じることがあるんです。酸が抜けはじめて、甘みと酸味のバランスの良い状態がベストですね」と、安達さん。代々受け継がれてきた「甘さにこだわったぶどう」を届けている。
生産者紹介

12代目安達敏幸
高畠町出身。大学院修了後、高畠町役場の職員として働きながら家業を手伝う。2024年に家業を継ぐ形で就農し、デラウェアやシャインマスカットなどの栽培に励む。「甘いぶどう」にこだわっていた父の意志を受け継ぎながら、自分なりに栽培方法を試行錯誤することに面白みを感じているという。「ぶどうの栽培は1年を通しての作業になります。真冬でも、雪からぶどう棚を守らなければいけないので、気を抜けません。無事に収穫までたどり着けることが何よりの喜びです」と、笑顔を浮かべる。
店舗詳細
店舗名称 | 治右衛門果樹園 |
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住所 | 山形県東置賜郡高畠町大字安久津1692 |