山形直送計画からのお知らせ

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醤油や味噌の企画・開発に特化した天童市のメーカー。看板商品「味の大名」に代表される美味しさへのこだわりと、既成概念に捉われない発想による開発力を強みとする。

マルセン醤油 ロングセラー商品「味の大名」は多くのファンを持つ

「だし醤油」に見出した可能性

天童市で醤油や味噌などの企画・開発を行う「マルセン醤油」。自社で工場を持たず、製造を外部委託するファブレスメーカーだ。創業は1969(昭和44)年。県内最大規模の醤油店で営業を担当していた初代が、醤油にかつお節やこんぶなどのだしをブレンドした調味料「だし醤油」に着目したことが始まりだった。「当時、山形を含む東北地方では、だし醤油は珍しいものでした。時代の流れとともに『手軽さ』が重視されるようになり、さまざまな料理に手軽に使えるだし醤油に、可能性を見出したのではないかと思います」と、取締役の伊藤悠介さんは語る。初代は理想のだし醤油を造るべく、県外にある醤油の老舗に依頼。完成したのが、今や看板商品となった「味の大名」だった。ベースは、昔ながらの製法で造る本醸造の特級醤油。それを、たっぷりのだしで仕込むのがこだわりだ。「一般的なだし醤油よりも、かなりだしの割合が多いと思います。原材料表示でも、醤油の次は砂糖などの調味料が来ることが多いですが、うちのは醤油の次にだしが来ます」と、伊藤さん。だしの風味が豊かに香る、贅沢な味わいが、今なお多くのファンから愛されている。

地域と食文化をつなぐ調味料

次期5代目の伊藤さんが取締役に就任してからは、「地域と食文化をつなぐ調味料」を商品開発のコンセプトの一つとして掲げている。その象徴的な商品が、2025年に発売した「すだちだし醤油」。地域で長年親しまれてきた「味の大名」に、徳島県産すだち果汁を掛け合わせた逸品だ。誕生のきっかけは、伊藤さんの大学時代の経験にある。「ファームステイで、徳島のすだち農家さんのお宅に1週間滞在しました。一緒に生活する中で、驚いたのが食文化。味噌汁など、あらゆる料理にすだちを絞って食べるんです!」と、当時の衝撃を語る。そんな実体験から感じた食文化の面白さを多くの人に知ってもらいたいと、商品開発に着手。数十通りにもおよぶ試作を重ねて完成させた。一番のこだわりは、醤油1に対してすだち果汁1.5という配合比率。「当時の味を再現するべく、ギリギリまですだち果汁の比率を高めました。一般的な柑橘果汁入り醤油と比較しても、圧倒的な果汁量なんです」と、伊藤さんは教えてくれた。まるで生のすだちを絞ったかのような爽やかな酸味と香りを楽しめる「すだちだし醤油」は、料理に加えるだけで食卓に徳島の風を吹かせてくれる。

  • マルセン醤油
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生産者紹介

取締役:伊藤悠介
取締役伊藤悠介

山形市出身。明治大学農学部に進学。学生時代はSNS運用支援、アフィリエイト、イベント事業などの活動に注力する。大学卒業後、2022年に家業のマルセン醤油に入社。2024年には「すだちだし醤油」を開発し、クラウドファンディングで183人から支援を集めた。商品開発のほか、マーケティングや広報にも携わっている。「私たちの目的は、醤油や味噌を造ることではありません。国内でも高水準の食料自給率を誇る、この東北の地から世界へ発信を行うことや、食の持続可能性に貢献することが大事だと考えています」と、伊藤さん。「うちは他社より歴史が浅く、自社に工場も持っていません。そこをネガティブに捉えるのではなく、新しいことにも挑戦していける柔軟性があると思っています。『醤油ベンチャー』として、その強みを活かしていきたいです」と、朗らかに笑う。

店舗詳細

店舗名称 マルセン醤油
住所 山形県天童市東芳賀2丁目5-1