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【2025年9月】臨時休業について

かみのやま温泉で長年愛される菓子店。看板商品「かみのやまかりんとう」をはじめとする、こだわりが詰まった和洋菓子は、ギフトや手土産として地元客を中心に重宝される。

郷土銘菓処 大國屋 歴史ある温泉地に馴染む佇まい

地元愛に溢れる、かみのやま温泉の菓子店

「奥羽三楽郷(おううさんらくごう)」の一つとして数えられる、歴史ある温泉地・かみのやま温泉。その一角に、大國屋はある。1950(昭和25)年に創業した、昔ながらの菓子店だ。創業者は、女将である中川瞳美さんの祖父。戦争から帰還し、手に職をつけるため菓子店で修行を行い、その後自ら開業した。当初はあんこを主体とする、まんじゅう類がメインだったが、時代に合わせて和洋問わず多種多様なお菓子を取り揃えるようになった。瞳美さんの夫で、代表取締役を務める中川仁さんは「今はギフトや手土産に利用してもらうことが多いですね。保育園や児童館からケーキの注文をいただくこともあります」と、語る。地元客に気に入ってもらった商品は、定番商品として残すことも大切にしている。「このマロンパイはよく買いに来てくれるおばあちゃんがいるし、スイートポテトはお子さんに人気なんですよ。楽しみに来てくれるお客様のためにも、さまざまなお菓子を作っています」と、仁さん。さらに、大國屋の魅力は接客にもある。明るく気さくな女将・瞳美さんとの会話を楽しみに、連日多くの常連客が訪れる。美味しいお菓子はもちろん、そんなアットホームな雰囲気が、地元で長年愛されている理由だ。

心に残るようなお菓子を作る

大國屋の看板商品は「かみのやまかりんとう」。かみのやま温泉の名物として、地元客や観光客から親しまれる。手作業で作られるねじれた形状が特徴で、創業当初から変わらぬ製法が受け継がれている。こだわりは2つ。まず、外はパリッと軽やか、中はサクサクと崩れるような食感だ。秘密は、生地にもち粉をブレンドすること。初代が当時もち菓子を生地に混ぜてみたことで、偶然生まれたという。もち粉入りの粘りのある生地を、菜種油など3種類を独自配合した揚げ油で揚げることで、小気味よい食感を生み出している。もう1つのこだわりが、黒砂糖の風味。「1種類の黒砂糖のみだと風味が強くなりすぎてしまうので、南大東島産など数種類を絶妙なバランスでブレンドして使用しています」と、仁さんは教えてくれた。濃厚ながらもくどさのない味わいが、多くのファンの心をつかんでいる。大國屋がこだわりのお菓子作りを行う背景には、「心に残るようなお菓子を作りたい」という想いがある。「お客様はうちのお菓子をさまざまなシーンで使ってくださいます。その匂いや味が、楽しい思い出を想起するきっかけになればと思います」と、仁さんは語る。

  • 郷土銘菓処 大國屋
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生産者紹介

代表取締役:中川 仁
代表取締役中川 仁

天童市出身。イタリア料理店のコックなどを経て、結婚を機に、妻の家業である和洋菓子店「大國屋」に就職した。お菓子作りの経験はなく、基礎からのスタートだったという。「最初は要領がつかめず、どら焼きが均一の大きさに焼けなかったり、パイ生地の温度管理が難しく膨らみが悪くなったりしました。だから『習うより慣れろ』で、とにかく何回もやらせてもらって、コツをつかんでいきましたね」と、中川さん。近年ではキッチンカーでの販売も始め、客から直接感想を聞けるのがモチベーションになっているそう。「購入したお客様が『美味しかったからお土産にも買いたい』と戻ってきてくれることもあります。そういう生の声がやっぱり嬉しいですね」と微笑む。

店舗詳細

店舗名称 郷土銘菓処 大國屋
住所 山形県上山市二日町9-1