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月山漬物は、山菜の宝庫「西川町」にある漬物製造会社。霊峰「月山」の恵みを受けて、美味しく育った山菜を使用。風味豊かで個性の活きた商品が、人気を集めている。

月山漬物 地元のお客さんも多い、地域密着の製造会社

月山の恵みを活かした漬物を製造する会社

月山漬物は、「山菜の聖地」として知られる西川町の漬物製造会社。自ら採取した新鮮な山菜を使った、美味しい漬物や水煮を作っている。人気商品は、「山菜きのこ(水煮)」「山うどの醤油漬け」「きゃら蕗の佃煮風」「とびたけご飯のもと」など。ちなみに、とびたけは、とても希少なきのこの名前だ。どれも、山菜の風味を活かした一品に仕上がっており、地元スーパーや道の駅、宿泊施設で好評を得ている。特に、お盆期間の売れ行きはすさまじく、なんと1日1,000袋も作るそうだ。山菜以外の商品では、「唐辛子大根」と「大根の山ぶんど漬け」が創業当初から人気。中でも山ぶんど漬けは、原料の山ぶどうの風味がとても豊かで、東京都でも「フルーティで美味しい!」と大ヒットしている。この商品、じつは、開発に3年もの月日を要した。山ぶどうが、自然に発酵・アルコール生成しないように工夫するのが大変だったそうだ。

創業の想い。「地元特産の山菜を、都会の人にも味わってほしい」

月山漬物は、1985年(昭和60年)に創業した。初代の渋谷久吉さんは、西川町の中でも、「大井沢」という山深い地区の出身。この地域は、春になると、ぜんまい・わらび・ウド・たけのこなど、じつに多くの山菜が芽吹き、秋になると、なめこ・まいたけ・とびたけなど、多様なきのこが収穫できる。子どもの頃から山仕事をして育った渋谷さんは、「大井沢には、こんなに素晴らしい自然の恵みがある。都会の人たちにも、ぜひ味わってもらいたい」と、いつも考えていたそうだ。「地元の名品を堪能してほしい」。そんな想いから創業した月山漬物は、山菜本来の良さを活かすことがこだわり。手掛けた商品は、どれも風味豊かで美味しいと評判である。

山菜の風味を活かす「タレ」。商品ごとに作るのがこだわり

西川町産の山菜は「まさに絶品」と、山形県内でも有名だ。美味しさの秘密は、標高2,000m級の霊峰「月山(がっさん)」にある。この周囲は1,500m級の山々が連なり、日本でも最高峰の積雪量を生む。ここから溶け出す、豊富な雪解け水は、カルシウムや鉄分の少ない「軟水」。やわらかな水をたっぷりと吸収することで、エグみの少ない山菜が育つのだ。たしかに、美味しい山菜は、日本各地にある。しかし、山深い場所にある「西川町」のように、美味しい山菜が生えるスポットに近く、新鮮なうちに収穫・加工できる地域は少ない。「この自然の恵みを存分に堪能してほしい」というのが、月山漬物の創業の想いだ。だからこそ、月山漬物では、山菜・商品ごとにタレを変えている。「一般的な漬物店では、すべての商品に同じタレを使っているところも多いです。もちろん、そのタレこそが『店の味』なんですが。でも、うちは山菜の風味を活かすことがこだわりなので、商品ごとに合わせた自作のタレを使ってるんです」と、2代目の渋谷義則さんは語ってくれた。

  • 月山漬物
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生産者紹介

2代目:渋谷義則
2代目渋谷義則

天童市出身。食品会社の製造に携わった後、結婚を機に、月山漬物へ婿入り。当初は営業担当を務めた。2代目として月山漬物を受け継いだ以降は、製造にも加わり、京都の漬物店で修行した妻とともに、会社を盛り立てている。月山漬物は、製造会社でありながら、個人のお客さんも多い。「じつは、商品の食べ方を、お客さんから教えてもらうことが多いんです。私たちでは考えつかないような、ご家庭ごとの工夫があって、ほんとうに勉強になります」と渋谷さん。近年は、こうした声に耳を傾けながら、新商品の開発にも力を注いでいる。

店舗詳細

店舗名称 月山漬物
住所 山形県西村山郡西川町大字大井沢3955-2