将棋駒の中島清吉商店
山形県天童市 店舗ジャンル:木工品製造日本一の将棋駒産地として知られる天童市で、将棋駒や飾り駒を製造・販売する工房。将棋駒は、将棋界で最も歴史の長いタイトル戦「名人戦」で使用された実績を持つ。
「将棋の街」として知られる天童市の工房
県の東部に位置する天童市は、将棋駒の生産量日本一を誇る「将棋の街」。そのはじまりは、江戸時代末期にまで遡る。武士の時代が終わりに向かっていた頃、生活に困窮した武士たちの内職として「将棋駒づくり」が奨励されたそうだ。明治維新後、武士たちは職を失いながらも、この技を生業とし、将棋文化を育んできた。今では市内の至る所に将棋の文字や駒のオブジェが点在し、街のシンボルとして親しまれている。そんな土地で1880(明治13)年に創業したのが、中島清吉商店だ。140年以上にわたり、時代の変化と向き合いながら将棋駒づくりを続けてきた歴史ある工房。かつては大衆向けの「描き駒」が主流だったが、昭和初期には「彫り駒」の製造に取り組み、将棋文化の発展に力を注いできた。天童市の伝統と歴史を背負う存在として、今もなお将棋駒づくりの最前線に立ち続けている。
技を積み重ねて生まれる、高品質な将棋駒
中島清吉商店の将棋駒づくりは、原木選びからはじまる。使用する材木は、厳選した国産材。なかでも最高級とされるつげ材は伊豆諸島・御蔵島産を用い、そのほかの材木も東北各地から仕入れる。これらの材木を3年以上かけて自然乾燥させ、木目を揃えたうえで加工へ。硬さや木目の美しさを見極め、年輪が縦に入るよう木取りを行うことで、耐久性の高い駒に仕上げているそうだ。その後、彫り・漆入れ・研ぎ出し・磨きなどの工程を経て、ようやく完成する。現在は、地元の彫り職人に依頼して手がける「手彫りの駒」のほか、自社で一貫して製造する「機械彫りの駒」を展開。機械彫りといっても全自動ではなく、一駒ずつ手動で文字をなぞって彫っていくそうだ。4代目・中島正晴さんは、「2018年の名人戦では、うちの将棋駒が使用されました」と、実際に使用された駒を手に誇らしげに語る。大量生産ではなく、確かな技術で一駒ずつ丁寧に仕上げた将棋駒は、多くの将棋ファンから愛されている。
生産者紹介

4代目中島正晴
天童市出身。代々続く将棋駒の工房に生まれ、24歳で家業に入る。将棋駒の職人が減っていくことに危機感を覚え、「本当に良いものを残したい」という思いから、2000年頃より手彫り駒の製造に力を入れてきた。「木目がきれいな駒に仕上がると、やっぱりうれしいですね」と、語る中島さん。原材料の選定からこだわり抜き、美しい木目が際立つ将棋駒を製造・販売している。現在は若手職人の育成とともに、日本の伝統文化として海外への発信にも挑んでいる。
店舗詳細
| 店舗名称 | 将棋駒の中島清吉商店 |
|---|---|
| 住所 | 山形県天童市田鶴町2-2-2 |











































