晩菊本舗 三奥屋
山形県東置賜郡高畠町 店舗ジャンル:農産物加工・漬物製造1948年創業の高畠町の漬物店。山形に古くから根付く漬物文化を継承し、製造に取り組む。代表商品の「晩菊」は、10種類の素材が調和した奥深い味わいで愛される逸品だ。
山形の食文化を継承する漬物作り
三奥屋(みつおくや)は、高畠町で70年以上続く漬物の老舗。古くは味噌や醤油の醸造を行っていたが、1948(昭和23)年に漬物専業となり、事業を開始した。漬物屋を始めた背景には、先代の「農業を中心に地域を盛り上げたい」という想いがあった。工場長の鈴木吉弘さんは「雪深い山形には、保存食としての漬物文化が根付いています。地場で作られる美味しい野菜を漬物に加工することで、地域の農業や文化を活性化させることが出発点だったんです」と、教えてくれた。その創業精神を受け継ぎ、おみ漬け・青菜(せいさい)漬け・赤かぶ漬けなど、地元・置賜地方や県内産の野菜を取り入れた、さまざまな漬物を展開している。「創業当初からの理念に『漬け物の味はまごころの味、愛情の味』というものがあります。人の手をかけて、丹精込めてお作りしています」と、鈴木さんは語る。
10種類もの山菜・野菜の味が調和する「晩菊」
三奥屋の代名詞とも言える商品が「晩菊」。晩秋に咲く菊の花と、春から秋にかけて収穫された山菜・野菜、合わせて10種類を丁寧に刻んで漬け込んだ逸品だ。美味しさの秘密は、熟成期間の長さ。食材を塩漬けにして、まず1年間自然発酵。その後、食材を合わせて仕上げ漬けを行い、合計で約2年もの歳月をかけてようやく出来上がる。仕上げに梅酢を用いることで、いくつもの素材が調和し、風味豊かで奥深い味わいに仕上がるという。「晩菊は、県内を中心に長年ご愛顧いただいてきました。今では、県内のほぼすべての土産物店で販売いただいています」と、鈴木さん。さらに、第15回山形県漬物展示品評会の最高賞にあたる「農林水産大臣賞」など、数々の賞を受賞。山形を代表する漬物として、厚い支持を得ている。
生産者紹介
工場長鈴木吉弘
米沢市出身。高校卒業後、株式会社三奥屋に入社。製造一筋で漬物作りに携わる。日本食に不可欠な漬物の美味しさを知るにつれて、多くの人にその魅力を知ってほしいと思うようになったという。「晩菊をはじめ、地域で継承されてきた旬の野菜を使った漬物を、皆さんに味わってほしいと願い、製造・開発に努めております。今後も地域社会の食文化に少しでも貢献できるよう励んでいきたいと思います」と、鈴木さんは力強く語った。
店舗詳細
| 店舗名称 | 晩菊本舗 三奥屋 |
|---|---|
| 住所 | 山形県東置賜郡高畠町大字糠野目1664 |










































