永井屋
山形県米沢市 店舗ジャンル:和洋菓子店・パン屋米沢市の歴史ある和菓子店。米沢藩主・上杉鷹山が名付けたと言われる「時雨の松」や「大黒舞」、山形の郷土菓子「ずんだ餅」など、地元に根付いた和菓子が多く並ぶ。

城下町として栄えた米沢の和菓子店
置賜地方に位置する米沢市は、江戸時代に上杉家が治めていたことで知られる城下町。「永井屋」は、そんな米沢市で1802(享和2)年に創業した歴史ある和菓子店だ。現在は、5代目・永井栄吉さんと6代目・隆王さんを中心に、店を切り盛りしている。「創業当時は、ひえ・あわ・大豆・米などを扱う穀物商でした。その後、雑穀を使ってお餅・おはぎ・きな粉などの和菓子を作りはじめたそうです」と、栄吉さんは語る。そんな永井屋の代表商品は、「時雨の松(しぐれのまつ)」。青畑豆をきな粉にして、砂糖と水あめを加えて成型したお菓子だ。なんと誕生は江戸時代で、米沢藩の9代藩主・上杉鷹山公が名付けたと言われているそう。店頭には、「時雨の松」をはじめとする銘菓がずらりと並び、創業からの長い歴史を感じられる。「美味しいものを食べると、辛いことも忘れられますよね。お菓子ならすぐに購入できるし、だれかと共有もしやすい。そんな小さな幸せを提供できるお菓子屋という仕事に誇りを持っています」と、栄吉さんは力を込める。
地元の方に古くから親しまれる郷土菓子
永井屋の数ある和菓子の中で、栄吉さんのイチオシは「ずんだ餅」。枝豆をすりつぶした餡を餅にかけた郷土菓子だ。置賜地方では、地元の方言で「すりつぶす」という意味の「じんだん餅」とも呼ばれている。永井屋では、古くから作り続けてきたずんだ餡の味わいを受け継ぎ、枝豆本来の香りや色を活かして、少し食感が残るように仕上げるのがこだわり。今でもたくさんの人に親しまれる人気商品だ。栄吉さんは、「ずんだ餅というと仙台が有名ですが、そのルーツは米沢にあります。仙台藩の初代藩主・伊達政宗は、実は米沢生まれなんです。米沢で栽培が盛んだった枝豆を仙台に持ち込んだと言われています」と教えてくれた。
生産者紹介

6代目永井隆王
米沢市出身。大学卒業後、製菓専門学校に進学し、和菓子や洋菓子の製造について学ぶ。その後、神奈川県の菓子店で修行。2024年に地元に戻り、家業である「永井屋」に入る。現在は、どら焼きをはじめとする菓子の製造を担当。「その日の気温や湿度によっても、生地の仕上がりが変わってくるんです。そこがお菓子作りの奥深さであり、おもしろさだと思います。これからも経験を積んで、もっと美味しいお菓子をお客様に提供したいですね」と、笑顔を見せる。
店舗詳細
店舗名称 | 永井屋 |
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住所 | 山形県米沢市中央4-1-16 |