ファーグ
山形県南陽市 店舗ジャンル:農家・農業法人きのこを中心に栽培する南陽市の農家。自然に近い環境を再現したハウスで育てるきくらげは、大ぶりで肉厚。旅館や小料理屋でも採用される、料理のプロも認める逸品だ。
「未来の農業を育てる」ために設立
「ファーグ」は、2022年に代表取締役の後藤勝一さんが立ち上げた、きのこ・きゅうり・米などを栽培する南陽市の農家。「安心して食べてもらえる作物を作ること」を大切にして、農薬や化学肥料に頼らないのはもちろん、栽培環境や肥料にもこだわった農業に取り組んでいる。設立の背景にあるのは、地域農業の実情だ。「地域の農家は減り、耕作放棄地は増えていく一方です。そんな状況に歯止めをかけ、『地域を元気づける存在になりたい』という想いがありました」と、後藤さん。「ファーグ」という名称は、「future(未来)」「agri(農業)」「grow(育てる)」の頭文字をつなげたもの。「未来の農業を育てる」というメッセージが込められている。「作物はもちろん、人材を育てていくことが、これからの農業には重要です。ドローンやAIなどの先端技術を活用しながら、地域の農業の未来を切り開いていけたらと思っています」と、後藤さんは力を込める。
森を再現した環境で育てる「肉厚きくらげ」
ファーグの主力商品は、きのこ。一年を通して、数種類のきのこを栽培している。「このあたりには、きのこ農家がほとんどありません。だから、地域の特産品になるようなきのこを作りたいと思ったのが、始めたきっかけの一つです」と、後藤さんは語る。中でも最も注力するのが、きくらげだ。栽培する場所は、森の環境を作り出したハウス。上面には遮光ネットを設け、森の中のような木漏れ日を再現。側面のビニールを開放することで、冷涼な風が吹き込み、夏でも暑くなりすぎない環境を作る。また、与える水は、山の岩間から湧き出る清らかな「桂清水」。菌床の状態を見ながら、手作業で散水する。できる限り自然に近い環境の中で育ったきくらげは、大きく肉厚でプリプリ。一度料理に使った客の多くがリピーターになり、旅館や小料理屋からも引き合いがあるという。「学校給食にも採用されるようになりました。『きくらげといえばファーグだよね』と言ってもらえるようになることが目標です」と、後藤さんは笑顔を見せた。
生産者紹介

代表取締役後藤勝一
南陽市出身。県内でも指折りの大規模な葉タバコ農家に生まれる。18歳のときに、ブラジルの農業研修に参加して、海外の大規模農業を学ぶ。帰国後は、土木・セールス・会計などさまざまな職種に就きながら、経営学も勉強した。豊富な経験とスキルを活かして、家業を継いで就農し、ファーグの前身となる「桂ファーム」を発足。2022年に「株式会社ファーグ」を開業した。人や自然環境にやさしい農業に取り組んでいる。「毎年できが変わり、『もっとできるだろう』という気持ちがいつもあります。農業は永遠のテーマですね」と、後藤さん。「今後は、海外にもファーグのきくらげを広めて、多くの人に食べてもらいたいです」と、力強く語った。
店舗詳細
| 店舗名称 | ファーグ |
|---|---|
| 住所 | 山形県南陽市金山4794 |








































